目次
1.やさしい高校数学の概要
やさしい高校数学シリーズ(学研)は数学ⅠA、数学ⅡB、数学Ⅲの三部作に加え、やさしい中学数学、「センター試験やさしい高校数学」の5冊があります。このうち数学ⅠA、数学ⅡB、数学Ⅲと中学数学は、きさらぎひろし先生の著書で「センター試験やさしい高校数学」はこんのかずひろ(今野和浩)先生の著書になります。このため、センター試験のものはその他のもの構成が異なります。ここでは数学ⅠA、数学ⅡB、数学Ⅲの三部作を紹介します。また、数学以外も何教科かおなじシリーズがあります。
また、紛らわしい名前のものとしては「高校とってもやさしい数学シリーズ」や「やさしい理系数学」というものがあります。間違えないようにしましょう。
やさしい高校数学をタイプ分けすると、教科書レベルの知識のインプット用の参考書です。解説が詳しく、高校数学をはじめて学ぶ人や数学が苦手で基礎から学びなおしたい人向けの参考書になります。教科書レベルを掘り下げ、入試の基礎レベルの問題の解法を学べる下地がつく内容になっているので、基礎から始めたい人におすすめの一冊です。
2.やさしい高校数学の特徴
以下では、同じタイプの参考書と比べて、やさしい高校数学シリーズがもつ特徴を紹介していきます。
・基本から詳しく解説
対話形式で書かれており、教科書レベルを基本的なところから非常に詳しく説明しています。おそらく分かりやすさだけなら一番です。また、数学ⅠAでは、最初に中学数学の重要事項の復習もあり、はじめて高校数学を学ぶ人でもついていけるように最大限の配慮がされています。
・参照ページでスムーズに理解が進む
他の単元の知識を使う場面では、参照ページがシリーズ通して示されているので、学習済みの部分に若干不安がある人や、教科書の順番ではなく、学校の進度に合わせて勉強する際でもスムーズに理解がいくように配慮されています。
・便利な復習用の問題冊子
巻末に本編で詳しく解説した問題の問題文だけをまとめた冊子がついます。これを解きなおすことで本書で学んだ内容を素早く確認することができ、復習に非常に便利です。
3.おすすめする人
やさしい高校数学をおすすめする人は以下のような人です。
・高校数学をはじめて学ぶ人
・数学に苦手意識があり、教科書レベルの基礎からやり直す必要性を感じている人
・全く理解できない苦手単元がある人
・学校の授業の先取りをしたい人
・予備校や映像授業の初学者向けの授業が理解できなかった人
・はずれ教師にあたってしまい、授業で基本事項のまともな解説がなく困っている人
・学校の授業の進度についていけず、おいていかれた人
・部活等が忙しく、授業が睡眠時間になってしまい、長期休暇の間に後れを取り戻したい人…etc.
解説が対話形式でかかれ、非常に詳しいのではじめ高校数学を学ぶ人や、教科書レベルの理解に苦しんでいる人、学校の授業においていかれた人でも使えるようになっています。
4.活用法のポイント
やさしい高校数学の活用法のポイントは以下の3点です。
①練習問題が少ないので、問題集での演習を組み込む。
このタイプの参考書はどれも基本的に練習問題が少ないです。このため、問題集を併用して知識を定着させる必要があります。おすすめの問題集は「高校これでわかる問題集数学」シリーズです。本書で扱ったレベルの問題をちょうど良い分量で収録している問題集です。これを相棒として使いましょう。
②同時進行で複数の単元をやらない
このレベルの学習においては1つ1つの単元・テーマについて理解し、学んでいく必要があります。ですので、複数の単元を同時に進めると同時に様々な概念や考え方を学ぶことになり、効率が落ちます。基本的に1つの単元をやり終えてから次に進みましょう。
③事前に学習しておくべき単元は必ず先に勉強しておく
数学では1つの単元を学ぶ際に、事前に学習しておくべき単元がある場合があります。例えば、数学Ⅲの微分を学ぶためには、数学Ⅱの微分や三角関数、指数関数・対数関数を学んでおく必要があります。前提とする知識がないと理解ができないので、必ず先にやりましょう。各単元学習において、どの単元の学習が事前に必要かは単元紹介のページで書いていますので参考にしてください。